日本最古の○○のおまけ？

前回のお話はこちら

---

実は日本最古の民家・箱木千年家を見に行くときに、一緒に見ておきたい建て物があった。
時間的に無理かと思っていたのだが…
数少ない「1時間に2本バスのある時間帯」にぶつかったので、途中下車して見に行ってしまいました。
同じ市内に住んでいてもこの辺はなかなか行ける機会もないので。

ご興味のある方は「つづきはこちら」をクリックぷり～ず。

神戸市バス111系統で「山田小学校前」で下車。バス停からはこういう感じで見えてます→
バス道路沿いに西に向かって1分ぐらいで こういう石碑があるので入り口は分かりやすいです。
が、ここからややｕｐdownあり。1回坂を下ってからまた登りになります。バス停からは割と近くに見えていたので、ちょっとこたえる…。
歩くこと5分強で門前に到着。

この神社、先程の石碑で分かりますが、六条八幡神社と言います。神戸市民でも知らない人の方が多いかも知れない。
今回の目的はこれ。 国重要文化財の三重塔です。
…ですが、取りあえず先に神社の方にお参りする。※何で神社なのに仏塔があるのかという謎は後述。
左の写真が脇殿、右の写真が拝殿遠くにちらっと見えてるのが本殿

「八幡神社」という名前ですぐ分かりますが、主祭神は応神天皇です。実は神戸市は八幡宮密度が結構高いところと感じているのですが、この六条八幡神社の由来は、設置の看板によるとこうなっています。

古くは若宮八幡宮といい、神社由来によると、神功皇后が務古の港に着いた際、この地に行宮を置いたことに始まるという。後、一条院の時代に、周防国大島郡の基燈法師が長徳元年（995年）5月に黒木の神殿を建立し八幡神を勧請した。更に鳥羽院の時代の保安4年（1123年）4月、この地の領主であった六条判官源為義が六条左女牛の八幡神をこの地に勧請し、古よりの八幡宮を再建した。この時、為義の称号から「六条」を取って六条八幡宮というようになったという。
その後、東大寺領となったが、永万年間（1165～1166年）頃には荘園交換により平清盛領となった。平氏没落後に源頼朝が接収、左女牛若宮宮に寄進された。

…とのことです。神功皇后とかはともかくヾ(^^;)源為義に関係しているのは大いにありそうです。八幡宮は源氏縁の神社ですから。

脇殿の前辺りには、大きな銀杏が生えています。 「神戸市民の木」に指定されているらしい。樹齢が分からないんですが、この大きさから推測するに、このイチョウもしかしたら源為義を見ていたかも？？？

では本題。
「何で神社なのに仏塔持ってるの？」
それは神仏習合が普通だった室町時代、この地の国人がこの神社に寄贈したからでした。現地にあった説明版から抜粋引用。

500年前の文正元年（1466年）、神社の世話役であった地元の有力者・鷲尾綱貞によって建立された。檜皮葺の屋根と細縁の高欄など優美な姿が特徴で、軒先の強い反り、上層になるほど小さくなる形に室町中期の特徴が強く出ている。明治の廃仏毀釈で神仏習合の象徴だった神社内の仏塔は多くが廃却され、今全国で残存しているのは18基、その内３基が神戸にある。

とのこと。鷲尾氏は一ノ谷の戦いで源義経の道案内をし、あの「鵯越の逆落とし」のきっかけを作った鷲尾三郎の末裔という一族らしいです。
建立された1466年というとあの有名な銀閣寺の銀閣(観音殿)の建立が1489年(長享3年)だそうで。あと応仁の乱勃発直前なんですが、よくこんなの建てる余裕があったなとか(^^;)
なお、この塔が国に文化財指定を受けたのは大正6年だそうです(その当時は「重文」のランクが無く「国宝」指定だった)。
初層の屋根の裏
横が小高くなっているのでそこから写してみた。上に行くほど小さいと言う事だが分かりにくい…
真正面から
おまけ　塔の前から写した神社の本殿(^^;)

なお、この神社のある神戸市北区山田は戦国時代は赤松氏や別所氏などが群雄割拠する場所となります。
神社の周辺は田んぼが多いのですが、戦国時代もこんな感じだったのかな～と何となく感じさせてくれる風景。

なお、この辺りは中世の史跡が結構多い地域みたいです ともかくバスの本数が「…」なのでアクセスがやや大変ですが、ご興味のある方如何でしょうか。
異人館も海も０！（ヲイ）ちょっと違う神戸観光が楽しめるかも？？？ヾ(^^;)

---

おまけ

なお私もここに行く途中で使った(待ちぼうけ食らったけど＿|￣|○)北神急行のイメージキャラクター「北神弓子（きたかみ・きゅうこ）」と言う巫女さんは、ここの神社の巫女という設定になってるみたいです。
鉄ヲタのみなさん、是非参るべし！※三宮から神戸市バス急６４系統は絶対使うなよヾ(^^;)