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拙HP「戦国島津女系図」の別館…のはず
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別館関連で、数少ない地元図書館にあった本を借りたのだが、
『鹿屋市史』

…今まで、鹿児島県のいろんな市町村史誌には大変お世話になってきたのだが、
これはほとんど見るべき所がなかった。
歴史の本としての冷静な視点に欠けている。
例えば
古代においてはむしろ大隅の方がすべての面で薩摩より優位に立っていたが、中世にいたってそれが逆になってしまった。
中世以降の大隅の歴史は、惨めな被征服民の歴史である。(以下略)
(p.272)
戦国時代からは、どんな話の最後にもこれに似たような恨み節が着いてくるので、正直勘弁して欲しかった。
とどめのあとがきでも
鹿屋市史編纂を終えて
(中略)
大隅開発が叫ばれ在りし日の天孫民族の発祥の地でありながら長年月に亘って虐げられてきたこの地に、再び陽春が訪れ熊襲隼人の古墳文化が高く評価され、九州東回りの殷賑の紐遠くはあるまい。(以下略)
と、同じ調子であるからして、
「薩摩半島に対して虐げられたとってもかわいそうな大隅半島」
…というのはどうもこの市史の編纂基調だったらしい。といいつつ、何故か隣の市である垂水市には敵意満々の記述が多く、初代垂水領主・島津久信のことは「精神分裂病」(記述ママ)と具体的な証拠もなく決めつけ、ボロカスにけなしていたが…。
そういえば島津氏の出身者は明治時代〜昭和初期に国学者として大成した島津久基氏(鹿屋市を地盤とした花岡島津家出身)と島津岩子(花岡島津家初代当主の妻で島津継豊の妹)以外は「(秀吉に対して)しっぽを巻いて逃げる(島津)義久」とかこれでもかこれでもかと陰湿な言葉を丁寧に選んでけなしまくってたなぁ(^^;)。

まあ、この本自体が
上巻:昭和41年(1966年)
下巻:昭和47年(1972年)
というかなり古めの本ですから_(。_゜)/、こういう感情入りまくり講談調の記述も、百歩譲って許すにしても
鹿児島県の他の市町村は平成に入ってから改訂版の市町村史誌を出しているのに、鹿屋市は全く出す気配すらなし。このご時世、予算が苦しいからといっても、他の小さな町村はもっと苦しい中で新資料を取り入れた改訂版を出したわけで。

恨み節だけ書くだけ書いて、後は放置という、鹿屋市のいい加減さが際だってしまう…

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(2009/3/14追記)
コメントでのご指摘がありましたように、新版が出ていたと言うことですので、今度はそれを取り寄せました。…旧版を置いているところは新版は購入されてないところが多く(うちの地元の図書館もそう!)、探すのが結構大変でした。

で、読んだのですが



旧版から訂正された個所1箇所も無し!(中世・近世編限定ですが)

…やっぱりやる気無かったのね、というか最近の市政資料を追加することだけが目的だったようだ…>鹿屋市史新版
わざわざ取り寄せてがっくり、というか取り寄せにかかった手数料1820円返して欲しいです。
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無題
今更感はありますが改訂版はちゃんと1995年に出されています(鹿児島県立図書館で閲覧可能)。
改訂版では一部記述が削れられていますが、「新発見」のはずの王子遺跡に関する加筆がありません。
ただ、大隅「軽視」は事実(コミュニティFMに関する論文に掲載されている)なだけあって地元出身者としては複雑な心境ではあります。
NONAME 2008/06/19(Thu)20:22:18 編集
無題
初めまして。ご指摘ありがとうございます。
そして、ご指摘の件ですが既に知っておりました。が、この記事への修正まで手が回っておりませんでした。改めてお詫び申し上げます。

『鹿屋市史』は関西地区では入手がかなり難しい本であり、また、その改訂版となると大規模な図書館でもおいてあるところはほとんどないのが実状です(京大と関西大学にあるようですが)。なので、内容を確認するのが困難なため、改訂版の内容についてのコメントは控えさせていただきます。
ばんない 2008/06/19(Thu)23:27:36 編集
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