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拙HP「戦国島津女系図」の別館…のはず
前の話はこちら


私の漢文読み込み能力はアヤシイのでぼんやりとしか分からないのだが、どうも豊臣秀長サイドはこの時の義久の見舞いを迷惑だと思っていたように思われる。

「義弘公御譜中」
「正文在加治木衆図子平兵衛」

先程竜伯様より預御使者候、名乗迄御出之由候条、以書状申候つる、明日 上様此地へ 御成候、其前ニ御進物を上候様ニと申事ニ候、御城へ者何も無御越候間、拙者宿迄早天ニ御出候て、朝食 参御帰尤候、其通 竜伯様へも申入候、必ゝ無御由断、拂曉ニ御越待申候、将亦此間御上洛も不存候而、以書状さへ不申入候、如在之様ニ罷成、令迷惑候、旁以面顔可申述候、恐惶謹言
「朱カキ」
「天正十八年」
        桑修大
    十一月十三日       重晴(花押)
羽兵侍従様
     御報
(「薩藩旧記雑録 後編」2-705)
 

「桑修大重晴」はこの当時の秀長の重臣・桑山重晴のこと
「羽兵侍従」は島津義弘のこと

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迷惑の解釈
ばんない様

私も素人なので余り堂々と言い切れないのですが、この時代の「迷惑する」は「困惑する」や「途方に暮れる」という意味合いも持つようです。ちょっと解釈を試みました。

先程、竜伯様から御使者が来ました。挨拶の名乗だけでもということでしたので、書状で申し上げましたのは、「明日、上様がこの地へお成りになります。その前にご進物をとのことを申されていました。お城へはお越しにならないので、拙者の宿まで早朝にお出でいただきまして、朝食会にご参加してお帰りになるのがよいでしょう」このように竜伯様にも申し入れました。必ずやご油断なく、払暁にお越し下さい。お待ちしております。そしてまた、この間のご上洛も存じ上げず、書状すら差し上げませんでした。このような手落ちになってしまい、困惑するばかりです。あれこれ、お目にかかって申し上げます。

私は前後の状況を知らないため結構適当訳ですが、訪れるけど城には入らないという点から「上様」は秀吉じゃないかなあと想像しています。

以上ご参考になれば……。

高村 URL 2012/04/11(Wed)01:53:46 編集
無題
こんばんは。
コメントが遅くなり申し訳ありませんでした。
また、お忙しい中解釈ありがとうございます。私は本文入力して力尽きてしまい、余り本腰入れて訳してなかったので(滝汗)

>この時代の「迷惑する」は「困惑する」や「途方に暮れる」という意味合いも持つようです。
なるほど、それによって文の意味合いは全然変わってきますね。
>「上様」は秀吉じゃないか
「薩藩旧記雑録」で、この文書の前後の史料も見たのですが、豊臣秀吉の動向が分かる文書は残念ながら掲載されていませんでした。
ばんない 2012/04/15(Sun)00:21:11 編集
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