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拙HP「戦国島津女系図」の別館…のはず
(後略)部分に書かれていた他の参列者の追悼歌です。
 惟新様
南なかそらにすみのほりゆく月影の名残かすめる袖の雨かな
無むかしとてとをくハあらぬ跡なからありしにかハる春のかなしさ
阿あたし野の名におふ草の枯生さへもえいつるときにあひぬるものを
弥みちしるへするやミなミの岸ならしすゝしくさそふ船のをひ風
陀たきのをと松のあらしも声をへて身にしミまさる法の場かな
仏ふかき夜に鏡のひゝきさえヽてうきよの夢とさめはてにけり
大炊助久正
南なかき日にしつこゝろなくちる花はおのつからなる時やしるらん
無むかしにもかわらぬ影や二月のなかはの月の雲かくれしは
阿あさ茅ハらかすめる露の玉ゆらのきミまつさたになき世のかなしも
弥ミつの道すゝしき法にひかれてやおもなの家をいつる小車
陀たちのほるけふり身にしむ鳥へ山いつくのたれかよそに見てまし
仏ふる寺のゆうへいかにととひよれはさえたるかねの声ハかりして
追善
わかれつる仏をしたふきさらきのなけきのほとのおとりやハすれ 宗可
あちきなやもろこしならは暮よりも焼香に見えぬなき玉のかけ 元巣
なき跡をあわれかたみの夕けふりしはしは残せ春のやま風 遊浦
(「薩藩旧記雑録」後編4-423)
「惟新様」はこの法要で供養されている「宰相殿」の夫・島津義弘その人であることは拙ブログをお読みの方は既にご存じの話ですが、義弘がこの妻を溺愛していたのは『島津義弘の賭け 』などでも紹介され有名な話で、島津家恒例の「南無阿弥陀仏」を頭文字にしたこの追悼和歌にも、妻に先立たれた思いがにじみ出ています。

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