今田新太郎も気になる。７９ 満州事変のあの写真・続

皆様は、この今田新太郎シリーズのはや～い頃に「これが今田の写真らしいですよ」という物を掲載(当該の物にリンク)したのをご記憶であろうか。

－実は先日中谷武世という人の回想録を入手したのだが、その情報によると
どうもそれは間違いらしい！⊂(｡Д｡⊂⌒｀つ
…
本当に申し訳ない。臥してお詫び申し上げます。<(_ _)>

詳しい説明は「つづきはこちら」をクリック。

まず、私が入手した『中谷武世回想録』の著者である中谷武世という人物であるが、戦前からの右翼運動家(※本見ると本人は「俺は右翼じゃねえ！やーさんと一緒にするな！"国家主義者"と呼べ！」とお怒りのようでしたが)として知られ、学生時代から岸信介らと共に"猶存社"という結社に加わり、あの北一輝や大川周明を身近に見て、戦時中は国会議員にまでなる。戦後は一時公職追放されるも、その後自民党(特に岸信介)のブレーンを務めたという人物である。なお、大アジア運動の経緯からアラブに関心が深く、アラブとの友好外交に貢献したことから勲一等瑞宝章を受章されています。今田の周囲にいた運動家関係では一番の出世頭でしょう。
この人がこの本を書いたのは平成元年、前巻後巻合わせて７５０ページもの大作を書き上げたその時、武世御年９０歳(○｡○)…化け物じゃ。

さて、武世は猶存社に関わっていたという関係から、同じ猶存社に参加していた笠木良明(大雄峰会代表)とはかなり親しくしていたらしい。大雄峰会は満州事変の後に「自治指導部」の運営に関わり大活躍した物の、後に関東軍や駒井徳三（満州国総務部長）と対立し追い出されたというのは既述なので覚えている人も多いであろう。

この武世が、その例の写真をこの『回想録』前巻に出していたのである。その説明を見ると、『昭和史発掘　１』で"今田"としていた人物(多分インタビューに答えていた武内文彬元朝日新聞記者の証言なんだろうな)は今田ではなく全くの別人なのである。中谷の説明を見てみよう。
　※中谷上掲書より引用(粒子が粗くて申し訳ない)
後列は右から
　片倉衷、和知鷹二、竹下義晴、三宅光治関東軍参謀長、石原莞爾、駒井徳三、板垣征四郎
だという。
右端の片倉衷は、他の本に掲載された「片倉衷」とされる人物と全く同じ顔なので先ず間違いないだろう。
ど真ん中にいる石原も片倉同様の理由で間違いない。
それから一人フラッシュの反射？で顔が飛んでしまった一人は飛ばして(気の毒…）
その左隣にいるスーツの人物が駒井というのも『大陸への悲願』にのっていた駒井の写真とそっくりなので間違いないと思う。
そのすぐ左隣にいる参謀が板垣というのも、ネットで多数見る板垣の写真とそっくりなのでまず間違いないだろう。
中谷証言では石原の右隣にいる恰幅の良い参謀を三宅参謀長としているが、立っているポジション(本庄繁司令官の斜めすぐ後ろ)から見ても多分間違いないと考えられる。

問題は片倉と三宅にはさまれた若手参謀3人である。
実は和知鷹二については、中谷の本の別のページに単独の肖像写真が掲載されていた。これである。 
一目見て判るだろう。『昭和史発掘１』で”今田"とされている人物にそっくりである。結論として
　あの写真は今田じゃなくて和知鷹二。
…どう見てもどう煮込んでもヾ(^^;)こう言わざるを得ない。と言う事で、このブログの皆様には改めてごめんなさい。でもはっきり言わせて頂く。私が間違えたのは『昭和史発掘』の武内や出版社が悪いんじゃ～ヾ(--;)

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ここで更なる問題。
中谷は和知と三宅の間にいる人物を竹下義晴としている。が、写真をよく見てもらうと分かるように、その間にいる人物は一人ではなく二人である。私が前エントリで「たこぼーずさん」ヾ(--;)としていた人たちですな。

このどちらかが竹下なのだろう。と言う事は、もう一人は誰？どちらかが今田なのだろうか？
…でもこのたこぼーず二人(しつこいヾ(^^;))、後年の今田新太郎の写真のどれにも似てないんだよなー。もしかしたらこの写真には写ってないのか？そうすると先述の武内ｏｒ『昭和史発掘』編集者の記憶自体がかなりいい加減と言うことになるが…謎じゃ。