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拙HP「戦国島津女系図」の別館…のはず
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たぶん40代以上の人には非常に懐かしい千葉真一(現:JJサニー千葉)主演『柳生一族の陰謀』をBSフジで再放送している。この作品で
柳生十兵衛=サニー千葉!
というイメージが固定化した人は多いであろう
そして
柳生十兵衛=片目+ボンバーちょんまげ
という誤ったイメージも…(-_-;) ※柳生十兵衛三厳が片目というのは根拠がないらしい 参照こちら

昨日放送したのはこちら

7月17日(木) 20:00〜20:55
第十二話「南海の女狐」

薩摩藩・藩主が重病という情報が流れた。十兵衛と裏柳生の精鋭たちは事実を確認するため薩摩藩に忍び込むが…。

薩摩藩・藩主の島津家久(村居京之輔)が重病との情報が流れた。薩摩藩は、よそ者の進入を厳しく取り締まっているため、宗矩(山村聰)は十兵衛(千葉真 一)と裏柳生の精鋭たちを、事実探索のため薩摩藩に忍び込ませる。裏柳生の精鋭たちは、薩摩城中に忍び込み、家久の生存を確認。そして病床の家久が、飲ま されている薬を手に入れる。薬を調べると、飲み続けると次第に心臓が弱くなり、あたかも病死であるかのように絶命する南蛮渡りの珍しい毒薬であることが判 明する。十兵衛は、手引き役の太吉(牧冬吉)に心当たりを聞くと、城代家老・新納武蔵守(永野達雄)と次席老中・伊集院頼母(水島道太郎)が跡目を巡り対 立していることを知る。新納は側室である妹・お万(森秋子)の子を推し、伊集院は正室の子を推し争っているという。

【再放送】
7月24日(木) 10:00〜10:55
http://www.bsfuji.tv/top/pub/yagyu.html
薩摩藩の陰謀!!!…というのはサニー千葉JAC柳生物の典型的お決まりネタではあります。そしてドラマ自体も
寛永年間なのにおねーちゃん達は島田髷結ってるし ※島田髷は寛文年間頃誕生
薩摩藩御用商人とか言う人(ちなみに演じていたのは『仮面の忍者赤影』の白影役の人)の格好も戦国の気風が残っている寛永の着物じゃなくて、どう見ても『必殺』(ちなみにこちらの時代設定は文化文政〜幕末辺りらしい)の悪徳越後屋さんそのものなんですがヾ(^^;)

…このようにつっこみ所は満載なので、気にしなーいえんたーてーめんとー(^^;)…と割り切るのが『柳生一族の陰謀』の鑑賞法なのであります

今回の話には、実は、全くの嘘でもない話が混じっております。

例えば
(1)島津家久の跡目を巡って争いがあった
というのは事実です。今回の話では
・正室の息子:又三郎
・側室の息子:松千代
となっていますが、史実では、跡目を争った側室の息子は「松千代」じゃなくて「又四郎忠平」です。
※実は島津家久には松千代丸という子も実在、ややこしい…
それと側室の名前は「新納お万」とこのドラマではなっていましたが、
史実では又四郎忠平の母は鎌田政重という下級藩士の娘(名前は不明)、松千代丸の母はやはり下級藩士・牧胤親の娘(やっぱり名前は不明)となっております。

もう一つ付け足しを言うと、
このドラマでは、又三郎に次席家老の伊集院頼母が、松千代に伯父に当たる新納武蔵守がついて争いが加速…という設定になっていました
が、
この時代の薩摩藩主席家老は伊勢貞昌という江戸家老であり、新納武蔵守という人物も実在していますがこの当時は家老じゃないです つか故人(爆) 参考 こちら

(2)ドラマ最後で「又三郎が江戸に人質に出されることとなり、松平伊豆守も薩摩藩の取りつぶしをあきらめた。そしてこれが参勤交代の始まりとなったのである」と流れたナレーション
実はこれがほぼ史実だったりします 恐るべしJAC恐るべし千葉恐るべしカンテレヾ(^^;)
この辺りの話は「薩藩旧記雑録後編」(『鹿児島県史料』)にそのままの記述が出てきます。
但し、江戸に跡継ぎを人質に出していた大名はこれが最初ではなかったようで、「このことが参勤交代の嚆矢になった」…という島津家の主張をそのまま受け取るかどうかは考察の余地があります。



実はここまでの話は 前置き

本日、このような記事が東京新聞に載っていたようなのだが
視聴率は『利家とまつ』超え NHK大河 『篤姫』快進撃続く
2008年7月15日 朝刊
(中略)
NHK担当ディレクター「『篤姫』はホームドラマ」

NHKの大河ドラマ「篤姫」(宮尾登美子原作)が好調だ。
十三日の平均視聴率は番組始まって以来最高の26・2%(ビデオリサーチ調べ、
関東地区)をマーク。
同日まで二十八回放送分の平均視聴率も23・2%で、二〇〇〇年以降の大河
ドラマでは最高の「利家とまつ」(02年)の22・1%を上回っている。

「過去の大河ドラマを分析した」。
NHK制作局の佐藤峰世エグゼクティブディレクターは“勝因”をこう語る。

大河ドラマは局の看板番組であり比較的高い視聴率を維持してきたが、
「翔ぶが如く」(司馬遼太郎原作)や「獅子の時代」(山田太一脚本)など幕末・明治維新
を扱った作品は質が高くても視聴率は伸び悩んだ。

そこで「篤姫」では、波乱に富んだ彼女の生涯に絞った。
薩摩・島津家の分家に生まれた於一(宮崎あおい)が、将軍・徳川家定(堺雅人)の
正室・篤姫となり、やがて大奥の総帥・天璋院となるまでを描く。
幕末・明治維新を語るのに避けて通れない長州藩の動きなども大幅カット。
ストーリーをシンプルにした。これが功を奏したとみられる。

佐藤ディレクターは、「『篤姫』はホームドラマ」と言い切る。主人公の篤姫を中心に大奥
という「家庭」のゴタゴタを描いているためだ。
登場人物の言葉遣いも平易。これまでの大河ドラマより身近に感じられる。

視聴者は女性、特に四十代が多いのも特徴。大学を卒業し、就職して結婚、そして出産。
一段落した女性たちが、これでよかったのかと人生を振り返る。

高視聴率の舞台裏で、制作側が苦労しているのは時代考証。
通常の大河ドラマの二倍の時間をかけている。というのも幕末・明治維新は時代が現代
に近いため、事前の調査などが不十分だとボロが出てしまうからだ。

「NHKは会長以下、『篤姫』の視聴率は低調と予想していた。秀吉や信長は誰でもが
知っているが、天璋院篤姫なんて誰も知らないから…」と佐藤ディレクター。
だがふたを開けてみればこの高視聴率。快進撃はどこまで続くか。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2008071502000108.html

あまりにもつっこみ所な箇所を当方で太字で補足させていただきました。
時代考証に苦労してるって〜どんだけ〜(古?)
史実では
障がいがあり、しかも性格も屈折していたといわれる13代上様・徳川家定がこの上もなく聡明で美形の将軍様(でも馬鹿を擬装したまま死去)になっていたり
「ナオゴロー」こと肝付尚五郎(現小松帯刀)が、小松家に婿養子に行くのが嫌だと殿様にタメ口叩くし、いじいじ愚痴愚痴と「篤姫様〜」と未練深いし
第一、決まり事に厳しい篤姫様が畳の縁踏んで歩いてるし、大奥脱走する割には、先週上様がお亡くなりになられたときには、何故飛んで会いに行かない、このど薄情女!
…これで、よく「時代考証に苦労してる」なんてどの口がほざいたんだか。NHKか?それとも東京新聞のごますり?

サニー千葉の『陰謀』のほうがフィクションと割り切ってるだけ、まだ視聴者に対して誠実だよ…。

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