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拙HP「戦国島津女系図」の別館…のはず
今年の目玉?企画でありながら、ずいぶんと間が空いてしまい、お詫び申し上げます<(_ _)>


慶長7年5月(文では「中夏」)12日に書かれた物です。
これがまたまた追悼歌で、9首もあります。わーい点数稼ぎちゃーんすヾ(--;)
誰を追悼しているかというと、あの里村紹巴なのですな。
紹巴法眼わかかりし時より、ならの京ハはなれ、此京に移住て、いたく敷島の道にふけり、果たして宗祇法師ハ遺塵をつき、古いまの間に、只ひとり歩かことく、世挙て詞の華の色にあて、香をうつさんことをこひねかいぬ、あら玉の春の朝、過行秋の夕には、世間の盛衰を観し、年月を送りむかへて、八十年に一とせたらぬ卯月の比、おもき病の床はなれかたく、終に生者不衰のことハりを、のかれあへさりし御事をきくより、愁袂をひたし、くれまとふ心に、牌前の手向をおさ/\過き、日数に立をくるゝほとに、いつしかきえにし、けふにめくりきぬれは、彼法眼世に希有なりしを、唯有一乗法のことハりになすらへ、句のかしらにすへ、おろかなり、素懐を筆に仕る事になりぬ、

夢路にもかへりとまらぬ別より理あるよの例なるらん
今よりハ昔にならの里人ととふ手向にはやまとことの葉
空蝉の世の人ことの袖にかけて名残忍ふの木の下露
いかにしていつ忘れまし秋の哀春の情とくみ馴しよを
「本ノママ」
契りあらハよしや先立いくるとも蓮の花の縁にしまかせぬ
せきかねて袖行水も三瀬川かへらぬ浪とさわく別路
 「ヨメズ」
うき世そと思ひけるにもなきをしたふことハり●す我涙哉
 「本ノママ」
時鳥啼や五月のけふよりは別し跡を尚初めなれ
うへもなき道に入ぬるしるへとも雲間の月の行ゑをやミん
慶七年
中夏十二日
「右本田助之丞蔵文書也」
(「薩藩旧記雑録 後編」3-1632)
頭書きによると、和歌の頭文字に何か意味があるようなのですが…「ゆ い う い ち せ う ほ う」…「有一乗法」と読めと言うことなのでしょうか、島津義久公…。ちなみに「有一乗法」とは『法華経』に出てくる言葉の一つだそうです 参考こちら

この和歌のネタヾ(--;)である里村紹巴ですが、この年の4月14日(旧暦)に死去しています。義久が訃報を知るまでには1ヶ月ほどタイムラグがあったようですね。
ついでに思い出したのですが、義久の和歌の師匠の一人にあの細川藤孝(幽斎)がいるのですが、幽斎に捧げた挽歌というのがないことに気が付きました(!)。もしかしたら私が見落としただけかも知りませんが…。


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