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拙HP「戦国島津女系図」の別館…のはず
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「義久公御譜中」
慶長十六年辛亥正月廿一日、祈祷・医薬・針灸共不験、法印龍伯卒、享年七十九、法命存忠、号貫明妙谷寺殿、有辞世和歌曰、

世間のよねと水とをのミつくし
つくして後は天津大そら
(以下省略)

「薩藩旧記雑録」後編4-785
有名すぎる義久の辞世の句です。
「世の中の米と水とを飲み尽くし 尽くして後は天津大空」
と紹介している書籍もありますが、こっちの方が意味が分かりやすいかも知れません。
ざっくばらんに訳すると
「世の中のあらゆる事を経験し尽くして、その後は澄み切った大空のよう(に思い残すことはない)」
というところになるのではないかと思います。

但し。
実際義久が死んだときはとても「後悔することがない澄み切った」心境ではなかったと考えられます。
一番の問題は島津家の後継者を巡る物でした。拙ブログでもこの記事などで紹介していますが、自分が死んだ後に残された二人の娘(島津新城島津亀寿)の処遇には非常に不安があったと思われます。
…そしてその懸念は現実のものとなりました。



実は辞世の句というのは元気なときにいくつか準備しておく物でした。
義久もいくつか辞世の和歌を準備していた可能性があります。しかし、死後に「辞世」として公表された物は、紹介した物でした。おそらく上記の状況から義久死後の混乱を少しでも避けるため、この和歌が「義久の辞世」として選択された可能性があると私は考えていますが、いかがな物でしょうか。


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