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拙HP「戦国島津女系図」の別館…のはず
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永禄10年2月25日に行われた連歌会の物です。
恒例につき上の句+下の句もそれぞれ1首としてカウントしています。

なお非常に長い連歌会なので、これまた恒例により基本的に義久の前後しか書きませんのでその点ご容赦下さい。

「御文庫三番箱中」
永禄十年二月廿五日
 賦山何連歌
風はおれ雨は身をしれ花盛 義久
小蝶や露にはねしほるらん  其阿
月残る墻ほの朝気長閑にて 伯囿
寝られさりしや起いそきする  珠玄
誰となくむすひ捨たる草まくら 家久
(10句中略)
風吹すさミ空の涼しさ  喜庵
片岡や折はへせミの啼くらし 義久
宿り今ハたとふや旅人  珠玄
煙こそ遠なる里のしるへなれ 家久
(3句中略)
あさまたきかりに出しにも暮る野に 家久
(6句中略)
月さやかなり軒の玉たれ  喜庵
はし居してそのまゝ夜をや更すらん 義久
別れし友にめくりあひつゝ  珠玄
(13句中略)
あしからしたゝ行すゑをまて 家久
(2句中略)
さま\/にくはりしきぬの春かけて  久治
人をわかぬや哀ミとしる 義久
假初にきても名残の大井河  殊玄
(21句中略)
伏かねて鴫立月の有明に  其阿
門田の面のさそな露霜 義久
九重のうちもさひしき秋の風  珠玄
旅にきるへきころもをくらん 家久
(12句中略)
逢事ハ稀にも涙いかにせむ 家久
(2句中略)
かけひをつたふ水ほそきをと  重持
さしのほる光を氷下とけて 義久
こゝろよけにもかハつなくなり  友治
(5句中略)
みきりの月にまとひあかさん 家久
義久六句 長総七 其阿十句 伯囿一句
友治六 珠玄十二 忠元九 家久七 友親一
久秀六 重持六 昌宗六 政郷七 久治五
友見六
(「薩藩旧記雑録」後編1-366)

この連歌会の特徴は御覧の通り、島津家久(中務大輔)が参加していること。天文6年(1547年)生まれなのでこの時数え21歳になります。また、家久は後に古今伝授を受けるなど和歌に長じていたと思われる人物のはずなのに、ほとんど作歌が残されていないことを考えても、この連歌会は貴重な史料かと思います。

以下作者解説
・義久:ご存じ島津義久
・長総:不明
・其阿:浄光明寺住職 其阿西獄か
・伯囿:島津貴久
・友治:不明
・珠玄:不明、連歌師か
・忠元:新納忠元
・家久:島津家久
・友親:不明
・久秀:不明
・重持:不明
・昌宗:平田昌宗
・政郷:不明
・久治:伊集院久治か
・友見:不明

あと、ここで不思議なことを指摘しておきます。
この連歌会には「喜庵」という人物が参加しています。拙HPを御覧の方で、少し記憶がある方もいらっしゃるかと思いますが、おそらく野間喜庵のことと思われます。詳しくはこちらを。この人は実は島津運久の庶子で、島津貴久から見たら義理の叔父に当たる人です。5句読んでいるのですが、何故か最後の人名リストに掲載されていません。何故?!

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